院長コラム

【2016.01】CGF・AFG療法とは 再生医療の導入

 

 最近は再生医療の話題にこと欠きませんが、歯科の世界にも再生医療が導入され始め、患者さまの受けるメリットも大きなものとなっています。

 その一つがCGF・AFG治療と呼ばれるもので、患者さまの腕から10ccほど採血し、専用の遠心分離機に13分ほどかけて血小板濃縮フィブリンというタンパク質のノリのようなものを抽出し、それを外科治療に用いる治療法です。

 私たちが怪我をした場合に血液の中の凝固因子が刺激されて出血を止め、傷口を塞いで早く治そうとします。この際、血液中に作り出される物質がフィブリンという物質ですが、CGFはこのフィブリンを人工的に作り出したものです。

 このCGFには成長因子が多く含まれているので、抜歯したあとの傷口に用いれば傷の治りが早くなり、腫れもほとんどありません。

 インプラント治療の際も同様に傷口が早く治り、抽出したフィブリンに含まれる成長因子が骨や歯周組織の再生を促進させるため、治療期間の短縮にもつながります。

 また、これまでは造骨する部位に人工骨の粉末などを充填し、その上からチタンメッシュやメンブレンなどを被せ、歯肉で覆うという方法をとっていたのですが、歯肉が万が一、開いてしまった場合などは細菌が入って感染症を引き起こすケースがありました。

 CGF治療ではチタンメッシュやメンブレンのかわりにCGFを用いることでしっかりと傷口も保護されるので感染のリスクも減少し、安全で確実な治療が行えます。

 このCGFは患者さまの腕から採血をするだけすむので低侵襲であり、ウシやヒトのトロンビンなどの凝固剤など添加物を一切加えないので感染リスクが低減し、副作用の心配がありません。完全自己血由来なので安全で安心な治療法といえます。

 このCGF・AFG治療は最先端の治療法であるため、行っている医院はまだ限られますが、当院では患者さまの負担軽減と治癒の促進、安全性、確実性の高い治療の実現のためにいち早く導入をし、大きな成果を得ています。

 

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